ギリシャなど欧州の財政不安に伴う世界的な株安を背景に、香港取引所(HKEX)への上場を予定していた企業が相次いで計画の中止や見直しを迫られている。先週後半には英系コングロマリット、スワイヤ?パシフィックが不動産開発部門スワイヤ?プロパティーズ(太古地産)の分離上場を取りやめると発表したのに続き、英保険大手プルーデンシャルも上場延期を正式に表明。また、上場を決行した化粧品製造?販売大手の仏ロクシタンは初日から公募価格を割り込んだ。
スワイヤ?パシフィックのクリストファー?プラット会長は、6日付声明で「この結果は残念だが、市場のセンチメントが急激に悪化する中、分離上場を計画通り進めることは誤りだと結論した」とコメント。新規株式公開(IPO)の条件を変更するなどして計画を継続すれば、「太古地産の世界クラスの資産の過小評価につながり株主利益に反することになる」と説明した。
太古地産は220億?243億HKドル(約2,650億?2,930億円)を調達する計画だったが、欧州諸国の財政不安や香港、中国本土当局の不動産市場抑制策が強まる中、この時期の上場は適切でないと判断した。先月26日にロードショウを開始して以来1割近く下げていたスワイヤの株価は、分離上場の棚上げを発表した翌7日に5.12%急伸した。
プルーデンシャルは7日、当初の上場計画を見直す必要が生じたと発表した。同社は先月、香港とシンガポールで今月11日に同時上場する計画を表明。その後、米アメリカン?インターナショナル?グループ(AIG)のアジア生保部門AIA買収のために予定していた株主割当増資を延期したことから、上場も予定通り進まないとの見方が強まっていた。
■SMR、天源鉱業も
8、9日付香港各紙が消息筋情報として伝えたところによると、このほかロシアのモリブデン大手SMR、河北省を拠点とする中国本土の民間鉄鉱サプライヤー天源鉱業も香港上場を延期する。いずれも市況の悪化が原因とみられる。
SMRは今年1月にメーンボード上場を果たしたアルミニウム製造の世界最大手ルサールの関連会社で、調達額は2億米ドル規模に達すると期待されていた。
天源鉱業は11日から公募を開始し、最大35億4,000万HKドルを調達する計画だった。
ハンセン指数は先週末の終値で2万ポイントを割り込み、株価下落の波は7日に上場したロクシタンを直撃した。終値は14.4HKドルと、公募価格の15.08HKドルを4.5%下回った。
一方、同日上場した本土の製薬メーカー朗生医薬は公募価格3.91HKドルを16.6%上回る4.56HKドルで引け、上々の滑り出しとなった。
引用元:ドラゴニカ(Dragonica) ブログ
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